苦しい事もことあるだろう
言いたいこともあるだろう
不満なこともあるだろう
腹のたつこともあるだろう
泣きたいこともあるだろう
これらをじっとこらえてゆくのが男の修行である。
山本五十六元帥の遺訓から
戦時中、滅私奉公第一が鉄則であると、強制的に教え込まれた男の生きざまであり、辛抱が美徳であることがもてはやされた。
この遺訓を、何度も何度も噛み締めて読み解くほどに、現代社会にも違和感なく 「なるほど」 と頷きが、胸の中に落ちてくるのも言いえて 「妙」 である。
現代の男は草食系で女は肉食系とマスコミで揶揄されて久しい。
定年後の男の有り様を 「孤舟」 となぞらえて表された著書(渡辺諄一著・集英社)
「孤舟」 とは世間の交際から隔離されて、現役を終えた男が抱える日々の生活の中で、地団太を踏む思いと、葛藤して生き抜く姿を描写した表現である。
現役世代であれ、団魂の世代であれ、本当に今の男達はそれほどに 「ヤワ」 になったのであろうか?
答えは 「否」 であると言いたい。
確かに辛抱することに、ヤワな人の数は多くなったことはいがめないが、凛として己を戒め、辛抱強い日本男児は健在で威光を放っていると豪言したいのである。
2011年1月30日 大谷 誠
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