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【サイゴン便り/初回】

  

親愛なる事業部会の皆さま

今年も残すところ数日となりました。

新しい年の皆さまのご健康とご活躍を願っております。

サイゴン便りなるものを書いてみました。

皆さまの評価に耐えるとは思えませんが、お暇があれば、読んでみてください。

犬塚俊夫


3回目のJICA海外シニアーヴォランティアでベトナムのホーチミン市で生活しております。成田を9月26日に発ち、ハノイに10日間滞在してオリエンテーションを受けたのち、ここホーチミン市(以降HCM)に移ってきました。2年間のHCM生活の始まりです。

この2年間が終わりますと、2004年4月の最初のネパールから足掛け10年間、JICAのヴォランティアにかかわることになります。運命のいたずらとしか思えません。「JICAで10年」 を目標にしても実現するのは難しいでしょう。(そんな目標持つ人はいませんか!?)

チュニジアで69歳を迎えた時、「70歳代をどう生きるか?」 などと設問しては見ましたが 「ケセラセラ」 が答えでした。帰国が応募リミットである70歳直前でしたので、応募だけでもと応募したのが、思いがけず合格となり、今回のHCMとなりました。

当初の任地はシリアでした。チュニジアではフランス語で大変苦労をしましたので、英語で仕事が出来るバングラデシュとシリアを選択した結果でした。ところがシリアが 「アラブの春」 で混乱し、JICAのヴォランティア事業はすべて引き揚げました。代わりの任地を希望出来ましたので、ヨルダンを希望しました。旧約聖書の世界がどんなところか見てみたかったからでした。

また家内がチュニジアの体験から、イスラムの国に興味を持っていたこともあります。結果はベトナムとなりました。ベトナムは過去4回のヴォランティア応募のうち3回を希望して実現できなかったところでしたので、ラッキーな結果です。7月に決まりましたのでベトナム語の準備は全くせずに赴任しました。

ベトナムを悪く言う人に会ったことが有りません。日本人と波長があう民族です。実際に生活してみて、違和感が少ないです。チュニジアではじろじろと強い視線を感じました。ここではたとえ日本人と解っていてもそういうことはありません。近親感は肌の色や体格が同じということもあります。儒教と仏教をもとにした精神文化は、日本と同じです。

ただ、特にここHCMは熱帯性気候で常夏ですので、日本の “わび”、“さび” の感性は育っていないと思います。四季のあるところに、また神道と仏教が融合した精神土壌にはぐくまれた日本独特の精神文化ですね。

ベトナム人は気性が穏やかです。働き者です。手が器用だと聞いておりましたが、お土産物屋で刺繍や、籠、布製品を見ますと、それがうなずけます。最後になりましたが、何といっても食べ物が日本人に合います。全体にうす味です。魚醤(魚を発酵して作る)は日本の醤油と同じで、ベトナム料理の味付けのベースです。

最初は違和感があります。1週間ほどで飽いたという友人もいました。しかし、馴染んでくると癖になる味です。果物はびっくりするほど豊富で安いです。スイカなどは年中あります。また町の中心には日本料理屋が軒を連ねているところがあります。すこし価格が高いので、いつもというわけにはいきませんが、いつでも食べれるという安心感があります。

興味深い話を聞きました。75歳の方が 「5歳の子供がかわいい」 とうれしそうに話をしていました。奥さんは35歳のベトナム人とか。財産目当てかと思っていたら、旦那さんの世話を親身でやっているとか。 良い話ですね。

57歳の方が19歳のベトナム人女性と結婚を考えているそうです。14歳の息子が近じか来越するが、会わせない訳にもいかず、息子さんの反応を気にしておりました。

てなことで、ベトナムには 「シニアの春」 があるようです。

先日75歳の方と飲み屋で会いました。2ヵ月に10日間、ベトナム語を勉強しに来ている方でした。中国で15年間運送業の会社をやっていた方で、たまたまHCMに来て、惚れ込ん(女ではなくベトナムに)だそうです。75歳で言葉を勉強されているのに感心します。この方は 「春」 は必要ないようでした。

小生の仕事をご紹介します。2015年のASEANの関税撤廃を視野に、2020年にヴェトナムを工業国にするというプロジェクトがあります。日本国政府は各官庁の体制作りの指導、中小企業融資の借款、人材育成のための大学教育支援、そして裾野産業(自動車、電気、電子、機械分野の)の育成のための企業の品質、生産性向上の現地指導などを支援しています。

その中の現地指導チームに所属しています。ハノイに7名、HCMに7名のヴォランティアが活動しております。小生は早速3社の指導に当たっております。電線(電力、通信用)メーカー(社員80名)、板金と制御盤組み立て(社員80名)、プラスチック成型(120名)の3社です。いづれも社長が若く、熱心です。

各社2−3回/月訪問します。ベトナム人の通訳(事務所スタッフ)が付きます。一応6カ月間の予定ですので、「5S」 をやって内部の状況を把握しながら、テーマを探して、一緒に問題解決をしながら手法を教えていくことになります。この国は識字率が95%と高く、作業者の改善参加が可能ではないかと、いま観察しています。

支援の初期の訪問は緊張します。相手にしてみれば、この爺さん何が出来るのかと思うはずです。あれ出来るこれできると言っても全く意味がありません。最初の1、2回で信頼関係を作る必要があります。じっくり対話をし、相手を理解し、的を外さないコメントを出すことと明るく対話することを心がけています。1は昼食に台湾人経営のレストランに連れて行ってくれます。ここの料理が美味く(通訳も最高と言ってます)いつも楽しみに出かけております。

ベトナムに来てから3カ月が経過し、住まいが決まり、JICAの活動が始まり、日常の生活のリズムが出てきたところです。町はクリスマスの飾りで華やかです。元旦は祭日ですがお祝いはしません。テト(1月23日から)がこちらの新年で、盛大に祝います。

HCMはBKKより南に位置し、熱帯性の気候です。この10月は昼が30度を少し超える位でしょうか。夜は25度前後で、クーラーなしでなんとか眠れる気温ですが、慣れるのにしばらくかかりました。11、12月は雨季から乾季への変わり目とかで、不規則に雨が降ります。雨は土砂降りで、大粒の雨がたたきつけるように降ります。

傘をさしていても、傘の上は土砂降り、傘の下は霧雨です。(こちらで買った傘は雨が通ります。日本製でも同じようなもののようです)12月の中旬から朝は涼しくなりました。しかし3月にかけて気温が上がり、夜でも30度近くになるとか。昨年は6ヵ月雨がなかったとか。日本のピリッとした寒さが恋しくなっております。


第1印象をお伝えします。

たまげたな!

1.通貨

 

到着してすぐ空港で両替をしました。200USDを出して、何と 4,162,000VND を受け取りました。高額紙幣は 100,000VNDで したので、お札は40数枚になりました。2枚出して45枚以上ですよ! 

その後いろいろな場面でお札の扱いに戸惑います。タクシーで 30,000VND 払うところ、300,000VND 払いました。500,000VND と 200,000VND は間違いやすく、すぐ 100,000VND に両替して、なるべく持たないようにしています。最近は桁を間違えなければ良しとしています。

EXレートは 10,000VND が約40円です。支払いは千VND単位なので使い過ぎではないかと錯覚します。

2.バイクが歩道を走る

バイクの多さには驚きます。対抗2車線道路の左は自動車、右はバイクです。信号が変わった時にひと固まりで飛び出す様は、恐怖すら感じます。自動車が小さくなって走っている感じです。

このバイクがラッシュ時には歩道を走ってきます。歩道を後ろから来てクラクションを鳴らす厚かましさです。信号が赤でも右折はお構いなしです。高齢者の男女も運転してます。4人乗りを見ました。歩く人が少ないのは、バイクで移動するからでしょう。

現地の人は信号が赤で横断するのが居ます。英雄気取り(ひがみです)ですが、運転手が突きあたる気がないだけで、厚かましい行動ですよね。最近は横断の呼吸がわかり、信号のないところでも横断できるようになりました。

ここで生活するときの最大の注意事項は車、バイクに当てられないことです。

良いこともあります。ミニスカートのライダーは歓迎です。ここの女性は良い足をしてます。


3.盆栽

2メートルもあるような盆栽があちこちで見られます。ルーツは中国でしょうからベトナムにも盆栽が有って当たり前なのですが、日本の盆栽のようにちまちましてません。写真を見ていただくのが一番でしょう。

4 木がデカイ

HCMの道路は立派な並木があるところが多いです。その木がすべて巨大です。直径は0.7−1m、高さ:20m以上です。大きな幹がスーッと伸び上に葉が茂ってます。番号を打って管理しています。



2011年も数日となりました。

新しい年のご健康とご多幸を心より祈念いたします。

以 上

2011.12.25

犬 塚 俊 夫

   
 

 
 
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