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『母の教え』

 「アベノミクス」 は大企業やお金持ちには大受けの景気情勢の中で、大企業から下請け発注に頼りながら一喜一憂する零細企業には、大企業の其の時々のご都合から不意に発注をストップされてしまうご時世が悔やまれてならない。
 そんな企業に勤めるOさんは、45歳で会社倒産に遇った。
 失業保険給付のある内にと職安通いと友人知人を頼って就職活動に真面目に取り組んだが、若い人でも新規採用には中々有りつけず、5ヵ月の就労活動に疲労困憊。
 「何で俺だけがこんな目に遇うのか」 と自暴自棄になりかけて居た時に、地方で独り暮らしの母から思いがけない便りが届いた。おぼつかない文字を追っていくほどに 「あいうえお」 という言葉があった。
 「あ」 焦るな、「い」 威張るな、「う」 上を見ないで下見て暮らせ、「え」 偉そうにするな 「お」 怒るな。心構えだ。 思わず涙があふれ出して、母の手紙の上に落ちた。
 この手紙が自分を奮い立たせてくれた。 運転免許が活用できる仕事がきっと有るはずと地域の就労支援センターや特別養護老人ホームを片っ端から面接に飛び込んだ。 そんな日が続いたある日、携帯の呼び出しが鳴った。「試行就労と言うことで3ヵ月、まず来てみて下さい」 の吉報であった。仕事の内容や待遇を言ってる場合ではなかった。そして4ヵ月目に 「採用切符」 を手にした感激は、母の教えがあったればこそである。

2013年5月27日 大谷 誠 


  



 
 
 
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