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雇う側の戒め

 若年者新規就職はもとより、中高年齢者の離職再就職者の就職活動は、目を覆うばかりの今日この頃である。
 巷では採用する側の立場と、採用をされたいとする立場の仕打ちにも似た、立場の奢り昂ぶりの現実がある。
  人間は置かれる立場で、その言葉遣いも、立ち居振る舞いも、大きく慇懃無礼が罷り通っている企業が在る事に驚愕させられる。
 以下は潜在的多数在る企業の氷山の一角に観る事実である事を戒めとして欲しい。

 ある建物管理会社の人事部へ訪問していた時、作業員を公募する応募面接者が来訪する場面に遇った。
  応対に立った人事次長が、たばこを口に咥えたままパソコン台の前から訝かしそうに見やって立ち上がり、事務所の上がりがまちまで出迎えた。
  そして上履きのスリッパを、腰をかがめずスリッパ立てから1足分を摘んで立ったままの姿勢で面接来訪者の足元に、摘んだ手からスリッパを床に落とした。
  そして慇懃に 「応募の人?」 と確認した後、同じフロアーに設けられたパーテーションで仕切られただけの面接室へ右手だけを30度ほど軽く右から左に振って招き入れの仕草をしたのである。
 まるで映画のワンシーンを観る思いであった。
 数多ある会社訪問の中でも、希有な遭遇場面であった。
 応接ソファーで人事部長と商談をしていた私は、その光景の一部始終を観てしまう偶然に出くわしてしまった。
  商談を中断して人事部長の方へ無言の目で問いかけた。人事部長は無言のまま、苦渋の顔で目線を合わせた後、間もなく目線を下げて逸らすした。
 私は急な野暮用にかこつけて早々にその場を辞した。

 応募面接者が其の会社に採用されたか、面接者の方から断ったのかは承知しない希な出来事であった。

2013年6月4日 大谷 誠 


  



 
 
 
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