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《自分へのこだわりの成果が勝負》

 京都ホテルオオクラで、ある経営コンサル事務所主催のセミナーに参加。 その基調講演、「カリスマ新幹線アテンダント、あなたから買いたい」
スピーカーは、JR東日本のあるレストラン別会社、斉藤泉さん。
 「今日できること。やらなければならないことは何か。毎日考えます。そしてそれを実践します。毎日自分の仕事と向き合い、取り組むこと。これを徹底しています。」
彼女は、入社以来21年。毎日来る日も来る日も、新幹線の車内販売に愚直に勤め、今や通常の販売員の3〜4倍の売上。その彼女が脚光を浴びるきっかけは、7年前の日経新聞の取材。取材の翌日彼女は驚いた。 なんと一面に大きく取り上げられたから。以来、全国から講演依頼、
テレビ出演依頼が殺到したと。
  彼女は自分に5つのルールを作っています。
@ 今日のお客様はどんなニーズがあるのかを予測する。
A それに合わせて準備をする。(ワゴンの積込、ディスプレイを入念に)
B その予測を確認する
C 予測と現実のズレを修正する
D 反省する(一日の最後に明日に活かすため)
 この5つを「意識的に」実践しているという
 新幹線アテンダントの仕事は、一見毎日同じ仕事。同じ内容。でも日々同じお客様はいない。唯一無二の出会いを毎日重ねている。
 今日のこの一瞬の出会いで「いい旅、いい一日」を過ごしていただこう。そう思って毎日五感を研ぎ澄ましている。
 人は毎日同じ仕事をしていると、やがて慣れてくる。慣れると昨日と同じ準備を何の疑いもなくしてしまう。向上心がなくなっていく。もっとうまくするためには!もっとがんばってみよう!といった熱が冷め、意識が薄くなる。
 でも最近のお客様はシビアです。慣れから来る企業や人の堕落のにおいみたいなものを感じるとその店に入店さえしない。 だからこそ、日々服装、持っているものに意識を向けます。
 昨日とは違う「今日」に意識を向けます。データだけではない現場の実感です。だからワゴンに陳列する商品の並べ方には人一倍工夫する。
 暑い日は、氷を普段よりたくさん載せる。一巡して今日のお客様の状況にピントを合わせ、ワゴンの中身を替える。
一人ひとりをしっかり見る。それはお客様だけではなく、取り巻くすべてのものを。…手荷物、網棚の荷物、食べているもの、食べるスピード。履いている靴。…お客様が次の瞬間何を求めているかを予測して、考え行動する。
 お弁当を食べているお客様、寝ているお客様。…そして。…「食後にコーヒー、アイスクリームはいかがですか?」「お目覚めに一杯、コーヒーはいかがですか?」満面の笑みをたたえ、絶妙のタイミングとアイコンタクト
 自分の持ち時間(つり銭を数える、注文された商品を提供する時間)を最小化し、お客様に向ける時間を最大化する。
  そんなほんの些細なひとコマを積み重ねているだけ。…彼女はそう言います。いまだに時給1000円のパート社員だそうです。 でもお客様からみれば、スタッフが正社員か社長か、パート社員かは問題ではなく、いかに楽しい旅を演出するかにかかっている。と言い切ります。
 同じアテンダントの教育まで任されている彼女は人材教育についてこう結論付けています。
最終的に「自分で気づけるか」「自分で行動できるか」だと。…
終わってしばらく、沈黙して自問しました。
自分の仕事に対する姿勢。…毎日の行動習慣。さらなる創意と工夫
の余地。彼女ほど突き詰めているかという反省。・・・
「仕事」というものの深淵を、彼女はどんな職業や立場の方にも相通じる「こころ」で伝えてくれた・・・と感動した。

2014年2月9日 大谷 誠 


  


 
 
 
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