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投 稿 文

      

《要介護1の身体になって……》

       

「鱧落とし 祇園祭や こんちきち」駄作
天神祭も祇園祭も自粛(じしゅく)自粛で、例年の様な、夏の季節感がかき消された今年、掛けて加えて眼に見えぬ流行病が地球上を席巻(せっけん)し、個人は「三密励行をこころがけ」に怯(おび)えて引き籠(こ)もりの日々が続く味気ない今年。何時になったら「特効薬」が市販されるものやら・・・? いい加減にマスクを取って外出したいもの。
「閑(しずか)さや岩にしみ入る蝉(せみ)の声」芭蕉
蝉の鳴き声も、此処数日 耳に届かなくなって、蝉もジッと静かに何処かで自粛しているのかも・・・の思いで居ります。 今年は 永いスパーンで 何から何までも・・・が 自粛自粛で一年が進みそうな?
拙宅近辺の木々で暑苦しく鳴き続けていた蝉も、此処数十日は其の鳴き声を聞かなくなって、愈々(いよいよ)待つこと久しい「実りの秋」到来か・・・と、こころ待ちなれど、日中は35度を下回る事の無い猛暑・酷暑の連日。「いい加減に暑さも自粛してよ・・・」のぼやき節も出てこようというもので・・・。
五体満足(ごたいまんぞく)・・・これ程、健常時には、何の疑い(うたがい)も無く、己自身が「至極(しごく)当たり前・当然」と過信を通り越して「思い上がり」もいいところで、胡座(あぐら)を組む生活にドップリと浸(つか)かっていた事に、猛省の日々。 
永く生かされ、生き存えて(ながらえて)超(こ)超(こ)さして戴けて、今日在(あ)って、五体満足のありがたみの真髄(しんずい)を、真底感じ入ったのは、誠に恥ずかし乍(なが)らも、今この瞬間以外の何ものでも無い近況で有ります。
人間の身体(からだ)の、喩(たと)えつま先の一部分の「爪」が禍(わざわい)した時に、歩(あゆみ)をまともには進められない事が有った時に、己の記憶の片隅にさえ、不自由さを過って(かって)体感した事実を、そんな些細(ささい)な事すら76歳の頭の中には残っていない今の有り様(ありよう)を悔(く)いる事に、臍(ほぞ)を噛む今日この頃であります。
身体のご不自由な方を日常生活の中で目にしていて、己自身が本心から、ご本人の其の不自由さを骨身に染みて 且つ慈愛をもって その方のお気持ちを素直に汲み取って、自主的に己自身が親身になって介助(かいじょ)出来たことが過去に有ったであろうか・・・? ご本人のご不便の程を、何らかの心の支えになったり、率先(そっせん)して「お手伝いしましょうか?」の「お声かけ」、いたわりの素直な気持ちを持ち「感・即・動」で具体的な行動を起こしてきたであろうか? ・・・答えは恥ずかしながら「否」であろう。
己の心の内に余裕が有ったときに(気が向いた時)に幾度かのお手助けはしたであろうが・・・。
人間と言う者の心根の中は「何も自分がししゃり出なくても、誰かがしてくれるであろう・・・」の思いか先行して素通りしてしまうのが常で有ろう。
因果応報(いんがおうほう)と言う言葉が仏教用語に有る事を、今回の出来事で骨身に染(し)みて、その意味からして、人は現世で、よい行いをすればよい報い(むくい)があり、悪い行いをすれば悪い報い(むくい)があるということで、本人の現世での行為の善悪に応じて、その報いがあると理解するものの・・・。 
そもそも3月13日の午後20時15分前後の忌(い)まわしき災厄(さいやく)の日に、拙宅前路上に崩れ(くずれ)落ちるが如(ごと)くに、独りで立ち上がれなくなった事の、そのものの起因は、連夜の晩酌の度が過ぎたが為、掛けて加えて緊急入院後の検査数値で骨粗症(そしょう)値が90.1と言う数値からして、Dr. 曰く、76歳と言う年齢から当てはめて観る(みる)に、限界年齢にギリギリの数値で・・・と自主退院後の5月18日の問診で説明を受けた。 加えて呉々(くれぐれ)も「靴の紐(ひも)を屈(かが)んで結ぶ・胡座(あぐら)座り・女座り・地面に落とした物を屈ん(かがん)で拾い上げる動作が苦労で出来ずに在る状況で、左脚先に靴下を穿く(はく)動作、ズボンやパンツ類(たぐい)を己独り(おのれひとり)で穿(は)き整え(ととのえ)終えるのに苛々(いらいら)する今日この頃。
実に歯痒(はがゆ)く、そんな簡単な動作ひとつに、我ながら忌々(いまいま)しく、且つ地団駄(じたんだ)を踏む今日この頃で居る情けない有り様(ありよう)で有りますが・・・。
骨折から数えて、かれこれ5ヵ月が過ぎようとしている現在、杖(つえ)無し歩行を強行すると、体位が、歩を進める度毎(たびごと)に両肩が大きく左右に10センチ幅(はば)は振れて歩く様(さま)は、まるでダチョウかアヒルが歩く様(さま)と似(に)て、何時までこの状態が続くものやら・・・と実に嘆(なげ)かわしい限りであります。
介護保険請求を申請したのが4月の初旬で、要介護1級の正式認定を受けたのが6月初旬。
地域包括のケアーマネージャの薦(すす)めと報連相で拙宅近辺のリハビリテーション施設の有る処へ、2〜3箇所 事前に体験入所の結果、リハビリテーション機器10台余(あまり)を備えて居る、茨木の「花の木」なる送迎付きの施設へ、毎週水曜日の9時から12時10分へ通い出した次第。 機器10台を使ってのリハビリテーションとベット上に仰向けに寝て、両脚の血行を促(うなが)す電動マッサージ機・患部マッサージを10分(手指圧マッサージ)、ホットパット(就寝用枕位の大きさのある アイスノンを蒸気で温めた物)を患部にあてがい、筋肉の凝り(こり)をほぐして貰う施術を10分・・・これらのリハビリテーションだけで決して満足できるものでは無いものの、何もせずに、自宅で己 独(ひと)りがリハビリテーションマニアルに添(そ)って、任意(にんい)に気が向いた時に、我流(がりゅう)でやるよりは、送迎付きで、当日朝に、半強制的にその場所に運び、連れ出してくれる事の方が、余程宜し(よろし)かろう・・・の自己判断も有って、現在も通所中で、要介護1級の愚拙(ぐせつ)の場合は、介護度合いが、週1回と制限が有って、1,775円の本人負担一割の制限付き。 本人負担100%なら毎日でもOK乍(なが)ら、限られた源泉の中から絞り出して・・・とは、そうもいかない。 
7月の初旬から自ら思い立って、毎朝5時起床、5時半から、約1時間をかけて4〜5000歩を杖(つえ)無し歩行を取り混ぜて独り歩行を実行。周遊コースと定めた中間点(公園グラウンド)でラジオ体操第一・首の運動と、腰を中腰に屈んでの10を数えて踏ん張るスクワツト15回を、今のところ皆勤(かいきん)で実行。 此の励行の意図は、早朝で住宅地内と2000坪程も有ろうか、市設(鮎川公園)の土のグラウンドを歩く事で、膝(ひざ)と腰にモロにアスファルトの跳ね(はね)返り衝撃(しょうげき)を和(やわ)げる効果を狙(ねら)っての事で、それ以前に、早朝ならば、人も車の往来(おうらい)が無い時間帯と 日中の直射日光を避(さ)けてを狙(ねら)ってのコースを選び出した次第。
入院時には89キロあったものが、現在79キロ。食事の摂取量も、従来を100とすると70%。 お陰様(かげさま)というかズポンの腰回りはブカブカ。 食欲はあるものの、控えめにして量を抑える・・・これが難渋至極(なんじゅうしごく)。
二の腕と言わず、胸回りは脂肪が落ちて垂れ下がり、鏡に映る其の姿はみっともない・・・を通り越して、見るも無惨(むざん)な、老いさらばえた容姿(ようし)にゲンナリするやら落胆(らくたん)の極(きわ)み。 情けないやら惨(みじ)惨(みじ)めな変わり果てた己が姿。 お腹の出っ張り寸法は118センチあったものが108センチ。これが不思議なことに、他の贅肉(ぜいにく)が大幅に減ったのに比べて、何でたった10センチしか減らへんのん・・・が摩訶不思議(まかふしぎ)の現況。
此の夏に入ってエアコンが、あまりの酷暑に悲鳴をあげて、冷房機能が低下してか、肝心の日中に冷えない状態になって、取り替えを余儀なくなり、覚悟を決めて取り替えを決断。 相前後して、今度は居間に置くは37型のTVが、突然勝手にスイッチが切れてしまい、画面が真っ黒になってしまう珍事。前者のエアコンは30年近くもよく働いてくれた。後者のTVも18年も働いてくれた代物で、我が身同様にそれぞれよく働いてくれた。 修理を依頼しても買い替えた方が賢明・・・と専門業者の弁。人間の身体と一緒で、使えば必ず寿命が来るのも道理。 年金生活者にとっては此の夏最大級の大出費に大童(おおわらわ)。
永く生きていればそれだけ身体も物も疲弊(ひへい)する。 それぞれが無くて済まされる物でも無し・・・。
今年は災厄の半年。 生き永らえると言うことは、我慢と忍耐を根気よく、飽きず上手に付き合い続ける術(すべ)を持続する事と覚えたり。                         合 掌

令和2年9月1日 大谷 誠  

 




 
 
 
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